鬼頭(おにがしら)によるビットコインの仮想通貨投資情報

ブロックチェーン同士を安全につなげるセキュリティ技術を開発 ー 富士通研究所

2017.11.17

2017年11月15日 株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐々木繁)

異なる仮想通貨間の新たな価値交換ビジネスを創出

株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)は、異なる仮想通貨の交換や決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術として「コネクションチェーン」を開発しました。

昨今、個人や企業が仮想通貨を販売して資金を調達するICOなど、仮想通貨の発行が注目されていますが、ブロックチェーンで管理される仮想通貨間の決済には、それぞれのブロックチェーンの境界で通貨の交換処理を行うアプリケーションが必要で、その部分の透明性確保が課題でした。

今回、複数のブロックチェーン間を新たなブロックチェーンで接続し、各チェーンにおける一連の通貨交換に関わる取引処理を紐づけることで、全体を一つの取引として自動実行可能とするスマートコントラクトの拡張技術と、各チェーンでの取引処理の実行タイミングを同期させるトランザクション制御技術を開発しました。これにより、チェーンを横断する場合にも、すべての取引処理が接続用のブロックチェーンに証跡として記録されるため、取引の透明性の保証が可能となります。

本技術を用いた模擬的な仮想通貨の交換システムによる実験では、通貨交換を実行すると資産移転に関わるすべての取引証跡が接続用のブロックチェーンに記録されることを確認しました。本技術により、多様な地域通貨での決済に対応することが容易となり、さらにキャンペーンなど変換レートの自由な定義が簡単に実現できます。

富士通研究所は、本技術を通貨交換のみならず企業間の高信頼なデータ交換や契約自動化などへ発展させながら様々な分野での検証を進め、2018年度以降の実用化を目指します。

開発の背景

ブロックチェーンは中央管理無し、高可用性、改ざん不能といった信頼性を担保する特長を持っているため、金融、流通など様々な分野での活用が期待されています。このため、2020年頃には分野ごとに多くのブロックチェーンが立ち上がってくると言われています。また、ブロックチェーンの金融分野の応用として個人や企業が仮想通貨を販売して資金を調達するICOや、金融機関独自の仮想通貨など、仮想通貨の発行が過熱しており、今後こうした仮想通貨同士の交換やブロックチェーン同士のデータ交換などのニーズが高まってくると考えられます。

課題

図1 複数のブロックチェーンを横断した取引の課題

仮想通貨をはじめとする資産を相互に流通するサービスにおいて、これまで、取引や契約を自動化するスマートコントラクトは一つのブロックチェーンに閉じた範囲でしか動作しませんでした。

複数のブロックチェーンを横断した取引を実現する際に課題となるのは以下の2点です(図1)。

ブロックチェーンの間に位置する、変換レートや手数料を適用するなどの業務処理を行うアプリケーションの透明性を確保すること
複数のブロックチェーンの取引タイミングを制御して、連続する一連の取引として扱えるようにすること
開発した技術

今回、異なる仮想通貨間での決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術「コネクションチェーン」を開発しました(図2)。

開発した技術の詳細は以下のとおりです。

1.スマートコントラクトの拡張技術
発注や支払いなどの業務手続や契約処理を自動化するスマートコントラクトを、複数のブロックチェーンが関わる処理にも適用できるように拡張しました。
新たにブロックチェーン同士を連携させるためのノードをたて、接続用のブロックチェーンであるコネクションチェーンを構築します。この連携ノードを経由して2つのブロックチェーンから該当する取引処理が含まれるブロックのデータを抽出して各取処理を紐付けます。これによりコネクションチェーン上で業務処理を含む一連の取引が一つのスマートコントラクトとして自動実行可能になります。
アプリケーションではなく、ブロックチェーンそのものの仕組みを使って紐付けや業務処理を実行することで、透明性が確保され処理の正しさが確認できます。

2.トランザクションの制御技術
これまでのブロックチェーン取引には無い、資産の保留状態を実現する資産預託の概念を設計し、システムを構成する全ブロックチェーンの取引処理に応じて資産の移動を制御する技術を開発しました。資産移転元では取引処理を確定させずに資産を一旦保留状態にして、移転先の通貨移動を確認してから資産移転元の取引状態を確定させるなど、各チェーンでの取引処理のタイミングを制御します。これにより従来のブロックチェーンでは困難であった取引処理の待ち状態を発生させ、全体の成否に応じた取引処理の確定もしくは取消を実現できます。


図2 コネクションチェーンによる価値の移転

効果

本技術を用いた模擬的な仮想通貨の交換システムによる実験では、2つの異なるアーキテクチャーのブロックチェーンを相互接続し、仮想通貨の交換による資産移転を実行した結果、資産移転に関わる取引記録として各ブロックチェーンの取引IDや移転資産の数量、結果などが一つの取引としてコネクションチェーンに記録されることを確認しました(図3-左)。また、支払や決済ができないなどの理由でチェーンを横断する取引が途中で失敗する場合は、保留状態の資産を元に戻す取引処理のIDやタイムスタンプが記録されることも確認しました(図3-右)。


図3 資産移転トランザクションの詳細

本技術により、個人が運営するような仮想通貨を扱う小規模ネットショップなどで新たな地域通貨に対応することが容易となり、さらに特定の仮想通貨を保有している利用者を対象とした優遇交換のキャンペーンなど変換レートを自由に定義できます。

今後

富士通研究所は、本技術を、通貨交換のみならず企業間の高信頼なデータ交換や契約自動化などへ発展させて、金融分野をはじめ様々な分野でブロックチェーンの業務適用を想定した検証を進め、2018年度以降の実用化を目指します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

                                                              以上

富士通研究所 プレスリリース

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